Lesson1 ネットワークの基本

IT分野でネットワークとは、
「通信ネットワークシステム」のことを言います。

通信ネットワークシステムにより、
離れた場所に情報を正確に、すばやく送ることができます。

通信ネットワークシステムの身近な例としては、
インターネット、電子メール、銀行のATMなどがあげられます。

また通信ネットワークシステムは、
LANとWAN、インターネットに分類することができます。

LAN

「LAN」とは、Local Area Networkの略です。

比較的狭い区域内(例えば社内や家庭内など)で、
複数のパソコンなどをケーブルや電波などで接続して、
ネットワークをつくります。

つまりこれは外部に非公開のネットワークということになります。

ハブやルーターなどを使用して、限られた区域内で
高速通信することが可能です。

LANには、ケーブルを使用する有線LANと、
電波で接続する無線LAN(Wi-Fi※)があります。

※Wi-Fiは無線LANの通信規格の1つですが、
現在は無線LANと同義で使われることも多くなっています。

WAN

「WAN」とは、Wide Area Networkの略です。

狭い区域内でネットワークをつくるLANに対し、
WANはLANとLANを結び、
広域に張り巡らされた通信ネットワークシステムになります。

例えば、全国に営業拠点がある会社は、
それぞれの社内LANを結びつけて、WANを形成します。

インターネットと混同してしまうかもしれませんが、
利用できるユーザー数が異なります。

インターネット

上記で説明した通り、
LANやWANのネットワークを利用できるのは、
同じ会社の人や家族など、限られたメンバーのみとなります。

それに対して「インターネット」は、
パソコンやスマホも接続し、世界中に開かれたネットワークです。

「クモの巣状に張り巡らされたネットワーク」という意味で、
World Wide Web(WWW)と呼ばれます。

コンピューターを特定する「IPアドレス」

IPアドレスとは、ネットワークに接続する機器(パソコンやスマホなど)
に割り当てられる識別番号のことです。

私たちが手紙を送る時、自分と相手の住所が必要なのと同じように、
インターネットの世界でも住所が必要です。

IPアドレスがその役割を担っています。

世界中に張り巡らされているインターネットにおいて、
送信元と送信先の住所があるからこそ、
データが送受信できるのです。

IPアドレスには、次の2種類があります。

①グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスとは、
インターネットに接続する時に割り当てられるIPアドレスのことです。

グローバルIPアドレスはインターネット上でユニーク(他にはない)でなければならないので、
同じアドレスが別の機器にも割り当てられないようにする必要があります。

そのため、特定の機関が管理してアドレスの指定を行い、
IPアドレスが重複しないようになっています。

②プライベートIPアドレス

一方で、プライベートIPアドレスは、
会社や家庭など限定されたネットワーク内で使用されるIPアドレスです。

プライベートIPアドレスは、その限定されたネットワーク内で識別できれば良いので、
他のネットワークで同じ番号が使われていても問題ありません。

プライベートIPアドレスは限られたエリア内で使われるため、
インターネットに接続する際には、
ルーターがグローバルIPアドレスへと変換することで
接続ができるようになります。


IPアドレスが特定されると「個人情報が漏れてしまうのではないか?」
と心配になりますが、
基本的にはIPアドレスで特定できるのは、
国などの地域とプロバイダ事業者ぐらいまでです。

ネットでの誹謗中傷などで裁判沙汰になり、
裁判所の開示命令などがない限りは、
住所や氏名などの個人情報が開示されることはありません。


ネットワークの基本にについて解説しました。

耳にすることの多いIT用語の意味が、
よく理解できたのではないでしょうか。

Lesson2では、ITセキュリティの重要性について学習しましょう。